動物顔負け!
「動く植物」たちの不思議な振舞い
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動物はアクティブに動いて、植物は常に受け身……
そんなイメージは間違いだった? 植物だって、
動物以上にアクティブな振舞いを見せる時がある。
オジギソウというマメ科の植物があります。名前からして興味をそそりますが、ちょっと触っただけで葉が閉じてしまい、さらに「おじぎをするように」枝が垂れさがってしまいます。しばらくたつと元の姿に戻るのですが、とにかく不思議です。このオジギソウの振舞いは、古来から人々の関心を集めてきたもので、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンなども研究していたそうです。西洋では「恥ずかしがり屋のミモザ」という名で親しまれています。
一般に、動物は自由に動けるが植物は動かないものというイメージがありますが、どうやらそう簡単に割り切れるものではないようです。植物も「動く」ことがあるのです。
ベンガル産のマメ科植物ムラサキウマゴヤシの葉は3つの小葉に分かれています。大きな1枚の付け根に生えている小さな2枚の葉がおもしろい動きを見せます。よく観察してみると、太陽の動きに合わせて、リズミカルに動いているのです。まさに自然の光度計といってもいいくらいです。
ミカン科のヘンルーダという植物では、雄しべが奇妙なダンスを踊ります。ヘンルーダの黄色い花冠の中では、ずんぐりした雌しべの周囲に、複数の雄しべが行儀よく並んでいますが、受粉の季節になると、まず1本の雄しべが体を起こして雌しべに触れます。次に別の雄しべが体を起こし、同じように雌しべに触れます。興味深いのは、1番目、3番目、5番目という風に奇数順に雄しべが動くこと。奇数番の雄しべの後は偶数番の雄しべが同じことを繰り返していきます。一体どのような進化のプロセスが、このような動きを生みだしたのでしょうか。
ヘビの中には敵に対して、数メートルも毒を吐きかけるものがいますが、地中海沿岸でよく見られるニガウリの1種も負けてはいません。小さなキュウリに似た果実をつけるのですが、うっかり熟した果実に触ると、すぽっと果実が花梗から外れて、開口部から種子がまじった粘り気のある液体が吹き出してきます! 4、5メートルの範囲内に液体をまきちらすといいますから、凄まじい能力です。
植物は静的な存在で、周囲の環境をあるがままに受け入れるというのは、どうやら間違った思い込みかもしれません。それどころか、何としても生き延びて子孫を増やそうと、驚くべきメカニズムを身につけているものが少なくないようです。